溶接の知識|溶接とは【方法・種類・原理】

2020年06月27日 20:36

溶接とは


金属は、加熱または加圧すると、やがて溶けはじめます。

接合しようとする2つの材料の接合部(母材または溶加材)を溶かして、混ぜ合わさった「溶け込み」状態で冷却することで、1つに接合することができます。

これが「溶接」の基本的な仕組みです。

また、日本工業規格(JIS Z 3001-1)では、「2個以上の母材を、接合される母材間に連続性があるように、熱、圧力またはその両方で一体にする操作」を溶接の定義としています。

この章では、接合方法による分類や溶接のメカニズムについて説明します。

金属接合方法の分類


金属同士をつなぎ合わせる主な方法としては、「機械的接合」と「冶金的接合」があります。
ここでは、金属接合方法の種類について解説します。

機械的接合には「ボルト接合」をはじめ、「リベット」や「かしめ」、「焼きばめ」、「折り込み」などがあり、これらはすべて力学的エネルギーによって接合します。

一方、冶金的接合には「融接」、「圧接」、「ろう接」などがあり、それぞれ使用するエネルギーによってさまざまな接合方法があります。

さらに、化学的接合としては、接着剤を使った接合法もあります。

接合方法には、それぞれ利点と欠点があり、効率的に接合するには材料や接合条件に合わせた接合方法を選択する必要があります。

※この分類は一例です。分類にはさまざまな手法があり、必ずしも上の表のとおりとは限りません。

溶接の種類


溶接は「融接」、「圧接」、「ろう接」の3つに大別されますが、それぞれに、さらに細分化された数多くの溶接法があります。溶接する母材の材質・溶接後の製品に求められる機能などによって、最適な溶接法を使い分ける必要があるためです。

溶接は、接合方法によって大きく3つに分類されます。

母材どうしを溶かしたり、母材を接合するための溶接棒(溶加材)と母材を溶かして接合する「融接」、機械的に摩擦や圧力、電流などで母材を溶かして接合する「圧接」、接合部分に接合するための溶加材(ろう)を使用する「ろう接」です。

さらに、それぞれの接合方法に対して、多種多様な溶接方法があり、接合する母材や条件などによって最適な溶接方法が用いられます。

※この分類は一例です。分類にはさまざまな手法があり、必ずしも上の表のとおりとは限りません。

溶接の原理


融接、圧接、ろう接の接合原理を、アーク溶接・抵抗スポット溶接・ろう付けを例に説明します。

融接


溶接の中で、最も一般的な方法が「融接」です。
融接では、母材と溶加材、またはどちらか一方を溶かして溶接します。

融接の中でも代表的なものが「アーク溶接」です。アーク溶接やレーザー溶接といった融接法は、ロボットアームでの自動溶接にも多用されています。

自動車のような複雑な組み立てラインの場合は、工程の特性や条件によって、ロボットでの溶接と人による溶接が使い分けられています。

アーク溶接

圧接


物質に一定の力を加えて変形させた場合、力を加えることを止めても、変形したままになる性質(塑性:そせい)を利用した「摩擦圧接法」、母材どうしを圧密着させガスで加熱して接合する「ガス圧接法」、接合する2枚の母材を重ね合わせて通電し、抵抗による発熱を熱源として接合する「抵抗スポット溶接」があります。

また、「摩擦圧接法」や「抵抗スポット溶接」といった圧接法は、自動化・無人化が可能であることから、FA(ファクトリオートメンション)の現場において自動圧接機が広く用いられています。

抵抗スポット溶接

ろう接


母材より溶ける温度(融点)が低い溶加材(ろう材)を使用し、接合する方法です。母材を溶かさず接合させると同時に、母材との良好な接合状態を得るために、ろう材にはフラックスが配合されています。

ろう材は、溶ける温度が母材より低いだけでなく、溶けたろう材の原子が母材の原子と結合するという親和性に優れていなければなりません。

ろう材には、「アルミろう」「銀ろう」「リン銅ろう」「黄銅ろう」などがあり、接合する素材によって使い分けられます。また、亜鉛、鉛、スズあるいはスズ鉛合金など、ろう材の融点が低い「軟ろう」が、通称「はんだ」と呼ばれているものです。

ろう接は、手軽に金属を接合できることから、古くから日用品、美術工芸品、歯科用関係で用いられてきました。

また、ろう材の導電性を活かした電子回路などの「はんだ付け」は、家電製品から航空機、原子力工業、化学機器に至るまで広く活用されています。

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